はじめまして、フリーランスのますみです!
『一人一人が自立・共存・革新している「クリエイターエコノミー」を創る。』というビジョンに向けて活動しています。
本記事では、PMBOK(第7版、PMBOK7)の概要とPMBOKを理解する上で必須知識となる12の原則と8つのパフォーマンス領域とPMPという資格についてなるべくわかりやすく日本語で解説しています。
PMBOKとは?
PMBOKとは、「Project Management Body of Knowledge」の略で、米国プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute; PMI)によって策定されたプロジェクトマネジメント手法です。この手法を解説したガイドラインをPMBOK Guide(プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)と呼んだりします。
特徴として、「成果物」に着目しており、計画から要求事項特定までの定義の手法が手厚いです。
ちなみに、日本語では「ピンボック」と読みます。
PRINCE2やITILなどの他の手法との違いを知りたい方は下記記事をご参照ください。
12の原則とは?
PMBOKは、下記の12の原則に従います。
- 「スチュワードシップ」であること
- 協働的な「チーム」の環境を作る
- 「ステークホルダー」と効果的に連携する
- 「価値」に焦点を当てる
- 「システム」の相互作用を認識する
- 「リーダーシップ」を示す
- 状況に基づいた「テーラリング」
- プロセスと成果物に「品質」を組み込む
- 「複雑さ」に対処する
- 「リスク」対応の最適化
- 「適応力」と「回復力」を持つこと
- 将来の状態を達成するために「変革」する
英語では、以下のように定義されています。
- Stewardship / スチュワードシップ
- Team / チーム
- Stakeholders / ステークホルダー
- Value / 価値
- Systems Thinking / システム思考
- Leadership / リーダーシップ
- Tailoring / テーラリング
- Quality / 品質
- Complexity / 複雑さ
- Risk / リスク
- Adaptability and Resiliency / 適応力と回復力
- Change / 変革
1. 「スチュワードシップ」であること
スチュワードシップ(stewardship)とは、この場合以下のような行動様式を表します。
ちなみに、スチュワード(steward)とは、執事・財産管理人などの意味を持ちます。
- 組織内外のコンプライアンスを維持
- 各ステークホルダーの面倒をみる
- 責任を持って、誠実に行動し、信頼される
2. 協働的な「チーム」の環境を作る
一人のパフォーマンスには限界があるため、チームワークが重要になってきます。
チームでプロジェクト遂行をする効果を最大化するためには、協働的なチームの環境を作ることが重要です。
3. 「ステークホルダー」と効果的に連携する
各ステークホルダーの背景や文化を理解して、それぞれのエンゲージメントを高めることが重要となってきます。
4. 「価値」に焦点を当てる
「最終的に何を得ることができるか?」という価値に焦点を当てて、目標を明確化することが重要です。
また、途中途中で「その目標に近づいているか?」や「価値に繋がっているか?」を確認する必要があります。
5. 「システム」の相互作用を認識する
プロジェクト全体をシステムと捉えた時、各要素がどのように影響し合っているのかを捉える「システム思考」を活用することが重要です。
例えば、システム思考を活用すると、要求変更やトラブルが発生した時に、システム全体への影響範囲などを意識することができます。
6. 「リーダーシップ」を示す
リーダーシップは、マネージャーに留まらず、プレイヤーも持ち合わせた方がプロジェクトとしてうまく機能します。
7. 状況に基づいた「テーラリング」
テーラリング(tailoring)とは、洋服の仕立て直しのことです。
すでに存在する組織内外の資産をそのまま使うのではなく、そのプロジェクトの「目標・環境・状況」に応じて、カスタマイズしたり、組み合わせたりするということが重要です。
8. プロセスと成果物に「品質」を組み込む
品質に関する観点としては、各ステークホルダーの期待している品質の定義とレベルを認識することが重要です。
ステークホルダーによって、成果物の像が異なることもよくあるため、細やかなコミュニケーションが必要です。
9. 「複雑さ」に対処する
ステークホルダーの誰かの言動や行動によって複雑さが生じたり、新しい開発手法を取り入れたりする過程で複雑さが生じたりすることがあります。
複雑さがなるべく軽減されるように、現状を分析し、構造化し、シンプルでわかりやすい構造に落とし込むことが重要になってきます。
10. 「リスク」対応の最適化
プロジェクトにおいて、リスクは常に付き物です。
大切なのはリスクを認識し、対処することです。
リスクを対処する方法として「リスク選好」と「リスク閾値」を確認することが挙げられます。
リスク選好(risk appetite)とは、リスクへ向かう姿勢の強さを表します。プロジェクトによって、ハイリスク・ハイリターンな戦略を取るか、ローリスク・ローリターンな戦略を取るかなどを明確にします。
リスク閾値(risk threshold)とは、リスクを受容するレベルを表します。どこまでのリスクは受容できて、どこからができないのかを明確にすることで、正しい意思決定をしやすくなります。
11. 「適応力」と「回復力」を持つこと
適応力(adaptability)とは、「変化に対応する力」です。プロジェクトの状況は日々刻々と変わるため、それらに対して柔軟に対応する必要があります。
回復力(resiliency)とは、「影響を緩和する力」や「挫折や失敗から迅速に回復する力」です。プロジェクトが進める上で、失敗するリスクは常にあります。失敗やトラブルに直面した時に、しっかりとそこから学び、前進する力が必要になってきます。
12. 将来の状態を達成するために「変革」する
プロジェクトを成功させるということは、現状に対して良い変化(変革)を起こすことを表します。
ステークホルダーの中には、変化に対して抵抗する人が現れることがあります。そうした人たちと対話し、議論し、お互い納得して、変革することが必要になってきます。
8つのパフォーマンス領域
ちなみに、第6版からの差分として、上記の原理原則だけでなく、プロジェクトのパフォーマンス領域ができたこともあげられます。8つのパフォーマンス領域は下記の通りです。
- ステークホルダー
- チーム
- 開発アプローチとライフサイクル
- 計画
- プロジェクト作業
- デリバリー
- 測定
- 不確実性
PMPとは?
PMBOKには、「Project Management Professional(PMP)」という資格があります。この資格は、受験資格の制限(学歴やPM経験の時間など)があります。
より詳細な情報は下記をご参照ください。
最後に
いかがだったでしょうか?
この記事を通して、少しでもあなたの困りごとが解決したら嬉しいです^^
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